日本の法律では、子どもの身体に危害を加える行為や監護を怠る減食・放置などが禁止されているのはご存じかと思います。
ですが、実は子どもを怒鳴りつける(叱責や不安誘発)行為も、言葉による虐待になる場合があります。
そしてこれらの行為は、子どもの人格を著しく傷つけるだけでなく、脳の発達に深刻な影響を及ぼすこともあるのだとか。
行動の心理学では、1つの問題行動をやめさせるために強い罰を与え続けると
その行動がなくなるどころか慢性化してしまったり罰を受ける恐怖から自分を守るために隠れてやったり
違うかたちで不適切な行動が出てくるそうです。
つまり、子どもを怒鳴れば一時的に問題行動がおさまるように見えても、真の改善には結びつかないことを意味しているのです。
また、認知の心理学では、怒鳴られることは、叩かれるのと同じだけのダメージを受けるのだそうです。
叩かれると心身に傷が残り、怒鳴られると脳に傷が残る。
それなのに、大人はなぜ子どもを怒鳴るのでしょうか。
幼少のころ、親や先生から激しく叱責されることが多かった方が大人になったとき
「あのような苦痛を同じようにわが子に経験させることは避けたい。だから自分はそんな大人にならないようにしよう…。」
と思う方は少なくないと思います。
ところが、わき上がる怒りの矛先がわが子に向いてしまう。
なぜでしょうか。
人は「思い」よりも「学習」したことを優先してしまうことがあるという事が明らかになっています。
つまり、怒鳴られることで行動したり、修正したりすることを学習してしまった、ということです。
子どもの為だと言いながら、激しく叱責する大人の姿は、親を愛してやまない小さな瞳にどのように見えているのでしょうか。
わき上がる怒りのサインを感じたときは、鏡や窓に映る自己を見つめ、子どもと適切に関わっているか
実は、怒鳴りつけなくても、大人の思いは伝わることが多いのではないでしょうか。
「わが子の目・心に映る自分は、温かい表情に満ちているか。」
普段怒鳴ることは無いのですが、子どもの反応・行動は良くも悪くもとても素直だと思います。
私も教育者という立場から、自身に問いかけてみたいと思います。
2024.2.14
【コラム】~子どもはよく見ている両親の表情・態度~