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2024.5.2

【コラム】日常と理科の力


 
日常と学習というお題ではあるのですが
 
いきなりですが、偉人の格言をご紹介します。
 
「もし木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう」
Abraham Lincoln(エイブラハム・リンカーン)
 
このアメリカ大統領の言葉は、準備の大切さを伝える話としてよく引用されます。
 
さて、これを科学の習得に置き換えてみます。
 
25年以上、TOPレベル層の小学生・中学生・高校生に理科を教えていて気付いたことがあります。
 
自然現象をすんなりと理解できたり、抽象度の高い概念を理解できるかどうかの根底には、
 
生活の中で身の回りの現象をどのようにとらえられているのか?という大前提があるようです。
 
水が蒸発するという現象は、洗濯ものを干していると体感できます。
 
高温になると沸騰して勢いのある水蒸気になることも料理をしていると当たり前に身に付きます。
 
掃除機をかけていると大気の圧力を感じることができます。
 
これらは全て、家庭でのお手伝いの中で経験できることです。
 
逆に言えば、机の上で問題集を広げていても経験できることではありません。
 
授業では様々な例えをつかって身近なものに置き換えて伝えていきますが、
 
ピンとこないお子さんはそもそもの生活の中の体験が乏しく、
 
原体験と呼ばれる知識の受け皿である土台部分が見当たらないのです。
 
冒頭の格言で斧を研ぐ時間に相当するのが、これら日常生活の中にある自然現象の体験にあたるのではないかと思います。
 
どうしても勉強というと机に向かうイメージが強いですが、
 
TOPレベル生は、夢中になって屋外問わず、無心に遊んでいる経験をしているようです。
 
過去3000人以上の学習指導の経験から、理科の学習についてのコツを知りたいと言われれば、私はこう答えます。
 
「6時間かけて理科を学ぶのであれば、4時間は家事を手伝いなさい」と。